酒場「バー・ダリア」の中央の辺りのカウンター
島に来てからしばらく後、私はそこに居た
「キャハハハ!ケヴィンも随分飲むねぇ!」
この島で知り合った
アイヴィスと言う女トレジャーハンターが楽しそうに笑う
「お前・・・もう酔ってるのか?」
私が聞くと彼女はぶんぶん首を振って
「酔ってな〜い☆」
「嘘つけ・・・」
完全に酔ってる彼女に呆れながらも
私もコップに七杯目のウイスキーを頼んでいるのだから
あまり人の事は言えないのだが・・・
「それにしても、最近、変わった奴等が居るのよね〜」
「ん?何かあったのか?」
「そうそう!実はね・・・」
私が返事を返すと嬉しそうに早口で喋り出した
「ふむ・・・チームねぇ・・・」
「そう!昔は[探検家は一匹狼]が基本だったのにね〜・・・」
アイヴィスはトレジーハンターの事を[探検家]と言う
間違いではないが少し違和感を感じる、もう慣れたが・・・
「しかし・・・そんな奴が居るなんて聞いた事は無いな」
「なら、ロートサイアの近くの洞窟に行ってみたら?
そこに[KIG]って言うチームが居るって話よ」
「分かった、気が向いたら行ってみるよ」
ある日、ロートサイアでのハントがあった後
暇だったので彼女から教えて貰った場所に行くと
そこには一人の和風の剣を持つ男が立っていた
「あんたもハンターみたいだが、何か用かい?」
男は鋭い視線を向けて私に問う
もし、この島に来る前の私なら一発で怯んでいただろう
しかしその時の私は憶せずに睨み返して言った
「別に・・・ただ、どんなチームか見に来ただけさ」
「・・・・・・ふむ」
男はやや残念そうに洞窟の奥に入っていこうとした
慌てて私は呼び掛ける
「おい、説明も無しか?」
「・・・俺は通りすがりに斬りかかる様な真似はしないのさ」
私の言葉に振り返った男は
そう言い放ってとうとう奥に入ってしまった
「・・・なんだよ、全く・・・」
私もそれ以上そこにいるのは無意味だと悟ってその場を後にした
それが、私とKIGリーダーの狗愛との
あまり好意的とは言えない出会いだった
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