『旅立ち』 ☆第八話☆
「ねえねえ、君・・・大丈夫?」
ジュドーは目が覚め呼びかけられたことよりも 見知らぬ天井を
ふと見つめている理由を頭の中で整理していた・・・
(オレはドラゴンと戦って倒れ・・そして助けに来た女性が危なかったから
無我夢中で立ちあがって・・・それから・・・ドラゴンが逃げて・・・)
「ねえ、君ってば!聞いてるの?」
ようやく耳にとどいた言葉は どこかあいつの声に聞こえた
「ニーナ・・・・!?」
「ニーナって君がずっとうなされていた時、呼んでいた名前ね
その子の事とても大事に思ってるのね・・・何度も何度もよんでいたし・・・」
(・・・・ニーナを呼んでいた・・・か・・・、やっぱり忘れられないな・・)
「いや、悪いあんたの声がニーナってヤツににてたんでね・・・・・
そんなことより ここは一体どこなんだ? それよりもあんたは・・・誰だ?」
「私がニーナって人に・・・? そっか・・・私はエリナ・マリオン・・・ココは私の家よ、
でもね女の人に名前を聞く時は、まず自分から名乗るべきだとおもうわよ」
「オレはジュドー・エイアンだ・・・・ジュドーでいい・・・・」
「ジュドーか・・・君は私を助けてくれたあと気を失って
3日間寝たきりだったわ もう一生おきないかと思ったわよ
でもまあ、助けにいった私を救ってくれてありがとね
あなたが あそこで【スピナー】を使わなければ
私も確実にやられていたわ・・・・・なかなか腕はいいようね」
「オレがスピナーを? そうか・・・覚えて無いな・・・・・・
それにしても、君は魔術士か? よくあんな所にきたもんだ・・・
最後の方ドラゴンが変に遅くなった気がしたが
君がなにかしていたのか・・・?
まあ、とりあえず助けてくれた事は礼を言う
しかし、何故オレを・・・?」
エリナはジュドーの質問をさえぎるようにスープを持ってきて
「一気に色々しゃべらないでよね 質問は一つずついってくれるかな?
はい、あとこれのみなさい。 私の特製ハイパースープだよ」
エリナは少し笑いを押さえたような口調でそういった、そして質問に答え始めた
「君のいうとおり私は魔術士 ドラゴンが遅くなっていたのは
古代魔法のスロウという魔法をかけたの・・・もう、この古代魔法が
使えるのは この世ではおそらく二人だけ 私と・・・・・・・」
少しエリナがまわりの空気が暗くなった気がした
ジュドーはスープを静かに飲みながらエリナにも暗い過去が
あることを悟った・・・・自分に共通するなにかを感じたからだった
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