『旅立ち』 ☆第六話☆
何時間たったのだろう・・・いや・・何分か・・・・もしかしたら
まだ数秒しかたっていないのかもしれない・・・・・
オレがドラゴンと向かいあってから いくらかの時がたっていた
剣をかまえ 戦闘態勢にはなっているものの・・・震えが止まらない
ドラゴンは無言のままこちらを見つめている・・・そして、口を開いた
口の奥から何かエネルギーが集まっていくようにみえる
その瞬間、一点にエネルギーが集まり ものすごい炎が吐き出されてきた
(オレの足 動いてくれ・・・動け・・・動くんだっ!)
なんとか動いてくれた足のおかげでギリギリのところをかわした
そして剣を強く握りなおし勢いをつけてジャンプし、ドラゴンの首めがけて
大きく剣を振った!が・・・しかし手応えがあるはずがない・・・
あたる前にドラゴンは手でオレを思いっきし弾き飛ばしていた
オレの体は大きな衝撃とともに壁にぶつかり地面に落下した
体を動かそうとするが動かない・・・手も感覚がなく動きそうにない
(たった一撃で・・・オレは動けないのか・・・ケタが違いすぎる・・・
だ、だめなのか・・・こんなところでオレは死ぬのか・・・くそぉ・・)
自分がなぜか情けなく思えた・・・その時
『大丈夫!? 今助けるからね!』
オレは愕然とした・・・女の人の声だったが・・・
今まさにドラゴンが目の前にいるのに助けに来るなんて自殺行為
『や、やめろ・・・くる・・な』
肋骨が何本か折れそのうちの1、2本は肺に突き刺さっているようだ
うまく声がでない やっとでた声ですら蚊のなくような小さな声だった
それでも、肋骨はきしみ、肺は激痛におそわれる・・・・
『無理してしゃべらないで・・・少しだけど傷を癒してあげるから』
オレはドラゴンを見た・・・今にも襲ってきそうだが、攻撃してこない
なぜ・・・? そんな疑問に関係なく 彼女はなにやら呟きはじめた
『⊇ωσ∩νεξ・・・・・・』
体があたたかい光に包まれる・・・それと同時に少しずつ痛みが消えていく
ドラゴンが口をゆっくりとあけ またエネルギーが集まっていく
しかし、今度はさっきに比べると動きが遅い
『どう? 少し痛みはひいた?
さ、ここからでるわよ! ΣξΓμτ・・・・』
彼女はまた なにやら呟きはじめる
・・・しかし、ドラゴンが炎を勢いよく吐き出す方が先だった・・・
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