7、ここは天国じゃないんだ


みなさん、人の話は聞きましょうね、さもないと、竜魔法で黒焦げになったりしますから。

U・サーガは煙の上がるらせつをみつめながらそう思った。
竜魔法はそうそう楽に感知できるはずがない。
魔法使いですら、その発動の感知は難しいのに、武道家ではなおさらだ。

U「アポロンの奏でるキタリスの旋律を...スピルザ!」

回復の魔法構成をらせつにむかって解き放つ。

らせつ「みいいいなぎるううあああ!!!!!」

あっというまに回復するらせつ。

U(あの竜魔法を食らって蘇生の魔法をつかわずにすむとは,,,
恐ろしい体力だな、この人。)

らせつ「やあああってやらあああああ!!!!」

全く恐れを感じないのか、再びドラゴンに殴りかかる。

U「雪を束ねるヘラの息吹を...コール...」

ガチン

らせつの頭に氷の花が咲く。

らせつ「な...なにをする!U!?」

U「いや、すこしでも頭が冷えればなーーーーっと、ね」

らせつ「...俺、熱くなってた?」

U「べらぼうに」

すこしシュンとするらせつ。
竜相手に肉弾戦ではあまりにも相手が悪すぎるのだ。

U「わてに作戦があるんだけど...」

らせつ「何々...」

  ・
(相談中)
  ・

U「ってこと」

らせつ「よし、それならなんとかなりそうだな...」

ぼこぼこにたこ殴りされていた竜が起きあがる。
そろそろ、回復もおわったころだ。

らせつ「よおし、逝かせてやるぜ化けもん!!」

らせつがドラゴンに飛びかかる。
Uは右から回り込む。
ドラゴンはまだ知らなかった。いや、思いもしないだろう。
自分が人間二人に殺されることなど...



第六話へ
第八話へ
メニューへ