3、僕や君や彼らのため


壁も見えない闇の中。

男が言った。

「魔王のいる洞窟を発見した」

「これで地獄の1000日は終わる」

つぶやきはだんだん力を失う。

「...我らの命と共に...」

暗い声はさらに続く。

「お前は王子ジートと共に再びこの地に平和を築いてくれ」

その必要はない。ジートなら必ずこの国を立てなおすさ。

「...つまり、断るわけか?...」

そうだ、もうこの国にわては必要ないし、むしろ、害になるだけだ。

「害...?なぜだ」

力を持ちすぎた者、秩序を破壊する者は平和な世界を崩す。

まあ、つまり、暇な平和は苦手なんだよ、わて

「フッ...お前らしい...まあ、いいだろう」

男の目が真剣なものになる。

「ただ、これだけは頼む...」

...何だ?

「我らが命と引き換えに取り返す平和。これを...」

.....

「守りぬいてくれ...」

...ああ

...死なない程度になら、ね


U「い...痛...」

もうすでに朝だ、ここは...どこかの浜辺...だろうか?

U「ええと...しっかりしろ、わて」

頭をコンコンとたたいて腕組みをする。

U「たしか..幽霊船が吹き飛んで..というか吹き飛ばして..
 たかが2キロと思ってたら..ガラストのせいで..
 雷が嵐をよんで..」

どこかの浜辺に流れ着いた...というわけである。

U「全く...あれから300年...か」

小さな声でつぶやく。

U「久しぶりに帰ってきたら...これかい...」

というか流れ着いたんだが..

U「なあに..約束は守るともさ...」

そして、更に小さな声で話す。

U「死なない程度に...ね」

まあ、とりあえずは..

肌にべとつくローブとマントの洗濯が必要ではあった...



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