24、僕は蹴りをくれてやるよ


カルア「あなたは...ゼルさん!?」

ベンリイ「わーい♪ゼルさんだあ!!」

ゼル「おや?ベンリイも...奇遇ですね」

その男は笑顔を浮かべながらこちらに近寄ってくる。
すでに屍と化したバンパイアを踏み越えて。

ゼル「みなさん、はじめまして、ゼルと申します」

おくやす「あんたの名は聞いている。おれはおくやすだ」

ジオ「ジオともうします、斬魔のゼルさん」
  「あのバンパイアを瞬殺とは...噂どおりの腕ですね」

ゼル「いえ、私も魔法障壁が張られていては、手も足も出ませんでしたよ、
      みなさんが障壁を破壊してくれたおかげです」

それがただの謙遜かどうかはわからないが、ゼルはそう言った。
それにおくやすが反応し、答える。

おくやす「いや、この障壁を壊したのはほとんどUのおかげなんだ」

ゼル「U?どこにいるんですか?」

おくやす「ああ、そこに...」

おくやすが指差すが、そこには誰もいなかった。

おくやす「!?あれ!?U!?」

カルア「帰っちまったようだな...」

ベンリイ「せっかく町で打ち上げパーテイやろうと思ってたのに...」

なにやら勝手な計画をつくっているベンリイ。
ゼルが深刻な顔をして4人に聞く。

ゼル「...そのUって人のフルネームは?」

カルア「たしか、U・サーガっていってたな」

おくやす「いや、フルネームはもっと長くて...たしか、
      U・カルナ....」

ゼル「まさか、U・カルナ・サーガ・フォーレンリーフ...」

おくやす「そう、それ...ってなんで知ってんだ?」

ゼル(...なんで300年前の古文書に載っていた
    王国魔戦団・第3部隊・隊長の名が...?)

昔、時の呪いを解くために調べていた古文書に載っていた男の名前を
思い出したゼル。

カルア「どうしたんですか?ゼルさん」

はっと顔をあげるゼル。

ゼル「....いえ、なんでもありません」



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