25、生まれたからには生きてやる!


U「あー..脳がはちきれそうだーー」

明るい小道を進むU。

U「考えてみたら、別に4段詠唱なんてやらんくてよかったかな?」
 「だって、あのドラキュラが300やそこらかの若造なのに
    えばるもんだから...つい...」

虚空に向かっていいわけをするU。

U「そう、考えたら、禁呪を使えばよかったじゃないか、うん」

禁呪、そのあまりの破壊力や危険性のせいで、古文書にすら記されない
失われた地獄の1000日以前の魔法。

U「ってわてのあほう。そんなもん使ったら洞窟ふっとぶだろうが」
 「かといって、『引き金』なんて使うわけにいかなかったし...
    まあ、妥当な判断だったかな?」
 「まあ、なんにせよ、脳が痛え...」

独り言は終わらない。彼の旅と同じだ。
頭の痛みは増える一方だ。旅の思いでのように。

U「ソルニア...か」

この島国最大の都市ソルニア。
Uは数日前にらせつが言った事を思い出していた。
...白竜亭...

U「ま、他にやる事もないんだし...」

灰色のマントを翻し、帽子の位置を直すU。

U「行くとしますか...!」

そう言って『黒の引き金』は歩き出した。

仲間のいる場所に向かって...








            第一部・完






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