22、この星はグルグルと回る


ビキイ！！バキイ！！ガガン！！

魔法障壁が音をたてて崩れる。

バンパイア「馬鹿な！？馬鹿な！！？？」

バンパイアが信じられないと言うような声を出す。

おくやす「．．．.やった．．．！？」

カルア「なにもんだ．．．あいつ．．．」

ベンリイ「．．．うそ？」

ジオ「さすがです．．．サーガさん」

ドッゴォオオオオオオオン！！！

バンパイアのいた所で爆発が起こる。
その音と共に、Ｕが倒れる。

おくやす「Ｕ！！」

倒れたＵに駆け寄るおくやす。

おくやす「おい！大丈夫か！？」

Ｕ「．．．おくやす．．．まだだ．．．」

おくやす「なんだ！？遺言ならメモるから待ってろ！」

と言って、ポケットから白紙の紙を取り出す。

Ｕ「まだ、終わって．．．ない」

おくやす「．．．なに！？」

バンパイア「オオオオオオアアアア！！！」

爆発の中から現れるバンパイア。
その体には魔法によってついたと思われる傷があったが、
みるみる内に治っていく。
これがバンパイアを不死族と呼ばせるゆえんである。
バンパイアの一族は一撃で絶望的なまでのダメージを
叩きつけねば死ぬことはない。

カルア「く．．．元のもくあみか．．．」

ジオ「いえ、少なくとも、今は魔法障壁がありません。
　　　　今なら攻撃が届くはず．．．」

おくやす「そうだな．．．えーーっと．．．」

ジオ「私は猫天使のジオです」

おくやす「そうか、俺は闘狂狼のおくやすだ」

カルア「カルア・リキュールだ。それと．．．」

ベンリイ「妻のベンリイです」カルア「ちょい待てぃ」

バンパイア「バンパイアのカルハード�[世だ」

おくやす「お前には聞いてねえーーー！！！」

ガビー―――――ン！！

ちゃんとつっこむおくやす。
なぜか少し悲しげなバンパイア（カルハード�[世）。

カルア「さあ！冗談はここまでだ！！」

急に空気がシリアスに戻る。

ベンリイ「また障壁を張られる前に！！」

おくやす「あの化けもんを！！」

ジオ「再生不可能なまでに破壊するんです！！」

カルハード�[世に斬りかかる騎士３人。
ベンリイはその場で魔法を唱える。

ベンリイ「ガ―ン！」

稲妻が３人を追い越し、カルハード�[世に突き刺さる。
．．．はずだった。
普段、カルアの頭上を通り越して撃つように狙っていたため
それより大きい人間のことは考えていなかった。
まあ、つまり、

ガシャアー――ン！！！

おくやすの頭を直撃した。

おくやす「ぐわあああああ！！？？」

ベンリイ「あ．．．」

ベンリイの頬に汗が流れる。
脳震盪で倒れるおくやす。
カルハードも含めてその場の空気が止まる。



長い沈黙。
その静寂を壊したのはベンリイの一言だった。

ベンリイ「もーー、おくちゃん、邪魔ーーー」

おくやす「他に言うことはないのかああああ！！！」

おくやすの叫びが響いた。



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