16、愛想笑いも作れない


??「うわあああああああああああああ!!」

U&おくやす「!!??」

洞窟を進むUとおくやすは突然の大声に驚いた。
こんな洞窟の深い階層にこれる人間が他にいたとは思わなかったからだ。
だが、その声はどうやら断末魔のものだったらしい。
駆けつけてみると、剣士風の男がたおれていた。
そして、その男の前に黒い影がいた。
それは黒い甲冑をきた人間のようだった。
しかし、その甲冑は首がなかった。

U(デュラハン{首無し騎士}!?)

その甲冑の手には血のついた剣が握られていた。

おくやす「ほお、この殺気、てめえ、このダンジョンの主だな?」
「町からさらったむすめ達はどこにやった?」

U(むすめ達?)

デュラハン「......」

デュラハンは無言で反対側の通路に走り去る。

おくやす「てめえ!待ちやがれ!」

U「待て!おくやす!」

おくやす「U!お前はそいつの手当てをしてろ!」

そういうと、風のように走っていくおくやす。

U「ったく..あいつは...」

改めて、下に倒れている男を見るU。

U「!?..ジオさん!!??」



おくやす「まあああちいいやあああがあああれえええ!!!!!」

恐ろしいスピードで追いかれるおくやす。
段々とデュラハンに追いつく。

  だが、

デュラハンの体が前触れもなくふっと消える。

おくやす「!なにい!?」

まわりを探すが、どこにもいない。

おくやす「くそ!どこいきやがったあ!!」

そういって、右にまがっていくおくやす。

数秒後、近くの天然石から出てくるデュラハン。
それを待っていたかのように、男の声が聞こえた。

カルア「瞬間移動の魔法か、なかなかやるじゃないか」

デュラハンが慌てて振り向く。
そこには、黒い服の男と赤い服の少女がたっていた。

カルア「だが、あいにくと俺達はあいつみたいに鈍くはないぜ」

ベンリイ「鋭いわよ♪」

デュラハンが剣を構える。戦うことを決心したようだ。
それに反応し、カルアも剣を構える。
ベンリイの目も真剣なものになる。

カルア「行くぞ!!」

カルアは冷え切った岩の地面を蹴り,斬りかかった。



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