15、痛みは始めのうちだけ


U「っへっくし!」
 「ああ、寒う!風邪ひくぞ、風邪!」

ただでさえ、気温の低い洞窟である。
ましてや濡れていれば体感温度はぐっと落ちる。
ぶるぶると体を震わせながらUは歩き出した。

U「まわりにモンスターかなんかいれば焼いて焚き火するのに,,,」

かなり怖いことを考えるUだが、すぐ前に生物らしきものを見つける。
火炎の魔法の構成を編むU。
その生物を確認してみるが,,,

U「!?おくやす!!??」

なにやらあちこちから血を流しているが、おくやすである。
まるで4階建ての家の窓から落ちてきたようなダメージをうけている
しかもなぜか生きている。

U「....まあ、いいか」

火炎の魔法の構成を解こうとする...が

おくやす「まてや!こらあああああああ!!!!!!!!」

U「...ち..」

おくやす「あ!今、「ち」とかいっただろ!!お前がそんなに
冷たいやつとは思わんかったぞ!!」

U「たしかに今は冷たいと言うか寒いと言うか...」←意味、違う

おくやす「それはいいから助けてくれえ...」

仕方なく、回復の魔法を唱えるU。

U「アポロンの奏でるキタリスの旋律を...スピルザ!」

おくやすの傷がみるみる消えていく。

おくやす「よし、完治!」

U「じゃあ、さっさとここのボス探そう、またあの男にあったら厄介だ」

おくやす「カルアのことか?黒ずくめのやつだろ?」

おくやすはあの後、何があったかをUに説明した。

U「...そうか...」

おくやす「別に悪いやつらじゃなかったぜ。もしかしたら仲間に
なれたかも知れないしな」

U「...」

Uはとても小さな声で独り言を言った。

U「正義...か」
 「...若いって...いいな...」

なぜか、悲しげな声だった・・・・



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