13、はみだし者でかまわない


????「見敵必殺!見敵必殺よ!!」

???「また、変なもんに影響されたな,,,ベンリイ,,,」

どこからともなく、らせつの「変なもんというな!変なもんとおお!!!」っといった叫びが聞こえてきたのは気のせいだろうか?
赤い衣を着た少女が闇の中からその姿を現した。
その後ろから、黒いローブをきた男が現れる。
おくやすはというと火だるまモードで洞窟内を走り回っている。
ちなみにUはときたら仲間が火だるまだってのに物陰で完璧に
シカト決め込んでいる。
黒い男の声が洞窟内に響く。

???「おい、そこの物陰のあんた、でてこいよ」

U(うわあい、ばれとる)

気配すら消して待っていたUもなぜかすぐ見つかる。
素直に出てくるU。
おくやすは近くの地底湖に飛びこんで火を消そうとしている。

???「俺達を襲おうとしたところをみると、盗賊か強盗か?まあ、
何にせよ...」

男の声が怒りの感情を含む。
ベンリイと呼ばれた少女は、おくやすのリアクションが面白いのか,
好き勝手な魔法をおくやすに放っている。
地底湖を泳いで避けまくるおくやす。

???「仲間を見捨てるやつにロクなやつはいないよな...?」
   「仲間が魔法を食らっても自分だけたすかりゃいいと
隠れつづけてるようなやつは」

はっきりとその男は怒りの波動を放っていた。
おくやすは湖にいたワニのようなモンスターに頭からパクッとくわれていた。
紙芝居を見る子供のようなまなざしでそれを見ているベンリイ。

???「俺は好かんな...!」

言葉が終わると同時に、Uの首もとに剣が密着した。

U(!!)

???「何か、弁明でもあるか?遺言として残してやってもいいぞ?」

U「えーーーーっと、じゃあ...」
 「1、君らを襲おうとしたのはこのダンジョンのボスだと思ったから
  2、仲間を助けなかったのは、まだ奇襲が可能かとおもったから
  3、また、かなり威力を弱めた魔法だったから、
相手にはまだこっちを殺す気は無いと判断したから」

???「だから、仲間を見捨てたのか?」

U「4、誓って仲間を見捨てちゃいないっていうか、首筋を剣でちくちくされると、もお最悪」

おくやすが自力でワニモンスターの口をこじ開け、ワニを殴り飛ばす。
ぱちぱちと拍手するベンリイ。
男がちらっと、横の縦穴を見る。
ずいぶんと深そうな穴だ。下の方に湖が見える。

???「助かりたいか?」

U「助かりたい助かりたい」

???「死にたくないか?」

U「死にたくない死にたくない」

???「だめだ」

どん、と押されるU。

U「どおおおおおおっわあああああああああ!!!??」

縦穴に落下するU。
どんどんおちて、最後にどぼーーんという音が聞こえてきた。
下を見ると、大きな波紋がかろうじて見える。
ワニモンスターはやっと生き絶えたようだった。



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