『無人島』


ヤマカガシはいま
小さな無人島のなかにいて
砂浜で砂まみれ。
 
さっきの島では
シューシュー息を洩らしながら
目をぎらつかせて通行している人達に
冒険野郎というだけで
軽くあしらわれ、罵られ蹴り飛ばされた。
腕に巻きつけていた出身地マラの国旗も
ずたずたに引き裂かれた。
それでもヤマカガシは
にやにや笑いながら
上目遣いに見返すだけであって
抵抗することはなかった。
 
「い、痛いじゃないか・・・」
 
誰もいない無人島で
わざとらしく口元を押さえながらb 笑い転げている。
それから、おもむろに
ヒップポケットに両手を突っ込み
無人島を散策することにした。
風がとても気持ちよかった。



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