『闘狂狼』
ソルニアの中央にあり、もっとも巨大で国立と言う
きわめて珍しい酒場、、、そこに億泰はいた。
ソルニアに来た冒険者が始めに来る酒場だけあって
その盛況振りは尋常では無かったが、やはり
さまざまな人が集うだけあってイザコザもあるようだ。
そして億泰はというと、掲示板を一通り見ると足早に
部屋を借りている『宿』、『白竜亭』に戻って行った。
億泰が宿に着いた頃、白竜亭はちょうど夕飯時だったためか、
他の宿泊客も1階の食堂に
降りてきていて、思ったよりも騒がしかった。
億泰は手頃なテーブルに座りBランチセットを注文した。
食事中、妙な視線を感じたかと思うと、一人の男が近づいてくる
おそらく、さっき感じた視線はこの男の物だろう。
「、、、、、」
無言のまま食事を続ける億泰。
近づいてくる男、、、見た目から察するにおそらく魔術師で
あろうその男は億泰の対面に座る。
食事を終え、億泰がタバコに火を付けると、向かいの男が話出す
「アンタ 闘狂狼に入ってみる気は無いか?」
「闘狂狼?」
怪訝そうな表情で聞き返す億泰。
「詳細はコレを読んでくれ」
そう言ってなにやら色々書かれた紙を渡す。
「フ〜ン、、、」
『闘狂狼』 国立の酒場に置いても、そのチームの事については
ほとんど語られておらず。億泰が実際にそのチームの名を
見たのは国立の酒場でたった2回だけである。
おそらくチームの設立者が小数精鋭を望んでいるからだろう。
「どうだ? やって見る気はないか?」
男が億泰に問う。
「ん〜〜〜 でもよォ なんか買い被ってないか?
オレァ自分を語れるような人間じゃねぇゼ?
誘ってくれるのァうれしいケドヨ。」
男は一つ苦笑すると億泰に話出す。
「なにも語れなくては駄目と言うわけでは無い。
第一オレがオマエを誘ったのも、ちゃんと下調べを
行った上での事だ。買い被ってなんぞいないさ
それに、、、」
男はそこで言葉を区切り、、、
「狼に口舌はいらない、ただあるのは行動のみ、、だろ?」
「なるほどね、、、いいぜ わかった。
闘狂狼に入らせてもらうよ」
「OK それから今夜、ここの地下で闘狂狼の集会がある
忘れずに来いよ」
そう言い残し魔術師らしき男は席を離れ、
どこかへ行ってしまった。
そして、夜が来た。
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