『結論』


行き止まり。
何もない、ただの石の壁が目の前にあった。
だが億泰は目をキラキラさせながら
「やっぱ あるとこにはあるんだよねぇ〜 」

億泰はここに隠し部屋があるとニラんだのだ。
ダンジョンで人と関わるのを避けるような人間は、
宝を取られまいと隠し部屋に貴重な物を保管している
ヤツである。
しかもこんな洞窟奥深くに保管するようなモノは
大抵ヤバイモノである場合が多い。
そしてそんなモノを見られると、相手は口を封じようと
襲ってくるパターンか、見つからない様コソコソ
しながら保管場所まで行くかのどちらかであり
今回は後者である事に億泰は賭けた。
では何故、億泰が相手を見失っても走らなかったのかと
言うと、そこはすでに一度調べた場所だからであった。

こんなチンケで、国の管理下にも置かれてない
小さなダンジョンとなると、凶悪なモンスターが棲みか
とする可能性はまず無いと言っていい。
ましてモンスターならば
ここまで来る途中で襲ってこない方がヘンである。

「さ〜〜て キーはど こ か な、、、、」

周囲の壁を入念に調べる。 と、なにやら動かした跡がある
そこだけコケやホコリ等が付着していない。

「!!   これか!?」

ゴドン

その「キー」となる石を動かすと、
鈍い音と共に目の前にあった壁が上方にスライドしていく。


無論、ここにさっきの「何か」がいるならば襲って来るだろう
そうなれば話は早い、ヘチ倒してお宝総取りである。
他言しない様頼まれれば、お宝を2・3個口止め料として頂く
億泰はこうした「約束」はキッチリと守った。
まぁ どっちにしろソンは無い。
中には口止め料をもらったあとに、隙をみて襲ってくる
タイプもいたが、問題無し。 
返り討ち→お宝総取り である。


「さぁて、、、、鬼が出るか蛇が出るか、、、」

完全に開ききった石の壁をくぐり、
部屋の中に足を踏み入れる。

「、、、、あれ?」
妙だ。 暗すぎる。
普通なら人工的な光量があるハズだが
そこには部屋の外と同じくヒカリゴケ
のボンヤリとした光量しか無い。

部屋の中のヒカリゴケに照らされて
うっすらとなにかが見える。


モグラだ。


中にいたのは
全長6メートルほどの巨大なモグラのバケモノだった。



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