『大馬鹿者』


「シャク*ィパッドーーーーーーーッ!!」
ゴガンッ
鈍い音を立てて洞窟の壁面へ熱烈なキスをかました
ゴブリンはそのままへたりこみ、動かなくなる。
ゴブリンの後頭部をワシ掴みにしている男、億泰。
無造作にゴブリンをほおり投げ、一服。

「フゥ〜〜〜〜〜」 (ー。ー)y〜

虚空を眺めうすら笑いを浮かべたかと思うと
猛然と洞窟の深部へと走り出す。

「ウーララ♪ ウーララ♪ ウーラウラよ〜♪」

何やら歌い出しながら、厚みが普通の剣の3倍はある
厚重ねの剛剣を鞘から引き抜く。
長さは通常の剣とさほど変わらない
そのため、その『厚さが異様に目立った剛剣』
を目の高さに構える。
以前、猛ダッシュ中。
眼前にはワーウルフが2匹、
こちらに気付き臨戦体制を取る。

「ウーーララァ!」
1匹のワーウルフの首が飛ぶ

「ウーーララ!!」
もう1匹が頭から左右に分断される。

「ウーラ ウラヨォ〜〜♪
 この世は誰の ためでもねぇーーーー!!」

どうやら頭のネジが2・3本トんだようだ。
さっきからこんな調子である。あの薬のせいだ。

王国の管理下に置かれていない洞窟、
それを発見した億泰は喜々として探索を開始した。
間もなく古びた宝箱を発見、中身は赤紫色の水のような物
で、小さな瓶に入っていた。そしてそれをその場で飲んだ。
         『大馬鹿者』
これ以上形容の仕方が無い。



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