☆第九話☆

キルヒもそれにあわせて地面をける
ブン!一瞬先に少年が大剣を振り下ろす
キルヒはそれを間一髪セイバーで受け流すと
後ろにとびひいた、が
すぐさま少年はとびひいたキルヒにフォイエを放ってきていた
キルヒは思いもよらぬ攻撃に驚き、
よける事ができず直撃した、フレームはへこみ
それが初級ディスクのものとはいえ、
打撃的な力と炎による熱さによって
その威力が充分にダメージを与えるものだという事がみてわかる
「ぐっ・・・あっついじゃねえか!」
そのダメージはフレームに威力は吸収され
キルヒ自体にはたいしたダメージはなかったが
その衝撃で一瞬判断が鈍る
そこを少年は見逃さず、大剣を振りおろしてきていた
「小細工をつかってんじゃねえよ」
紙一重でなんとか横に飛び、それをよけるが
次々に少年は俊敏な動きでキルヒを襲う
「小細工?ちゃんとした戦法だよ」
その後もキルヒは厳しい防戦をしいられながらも
言葉のキャッチボールはかかさない
「チッ、戦法ねー?
オレにはただの小細工にしかみえないんでね
それにしても、てめーのようなチビにはあわない
おっきな剣ふりまわしてるわりにゃ動き早いじゃねえか!」
「動きが速い?今更そんなことを知った所でもう遅いよ」
「ヘッ、言ってくれるじゃねえか」
「さっさとやられちまいな!どうせ勝てやしないんだからさ」
少年はそう言うと同時に一気に間合いをつめてきた
キルヒはそれに対応できずに後ろにバランスを崩し
思うように後ろに跳び引く事ができずよろけてしまった
「!?」
少年は大振りで大剣を横になぎ払う
「おわったな!」
その攻撃は完全にキルヒにとらえるかのように思えた
・・・が、
「ふぬッ!」
!?
バランスを崩していたキルヒはその体勢をなおそうとせず
そのまま後ろに倒れる形でリンボーダンスのようにして
なぎ払われた大剣を ギリギリのところをよけ
そしてさらに、
オーバーヘッドのできそこないのような形で少年の手を蹴った
「なッ!?」
虚をつかれた少年は蹴られた拍子に手の力が緩み
大剣は振られた勢いのまま放物線を描いて
自分から数メートル離れたところに落下し、地面に突き刺さる
それをずっと目で追ってしまっていた少年は
目の前で倒れているはずのキルヒに対して無防備だった
「ヘッ、だから言っただろ?セイバーは得意だってな」
当然 少年が声を発したキルヒに視線を戻した時
首元にセイバーの矛先が向いていた事はいうまでもない


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