13

 そして宇宙。
 そこに彼の復讐者はいた。
 その眼下には楽園。
 約束された新天地ラグオル。
 乳あふれるほうじょうの地。
 「また、俺は死ぬのか?また殺されるのか?」
 それは声にならぬつぶやき。
 「くそったれ、必ず殺す。俺が殺す。俺の復讐は俺がする。そしてあいつは、この俺に殺される。そう、かならず」
 鋼鉄の復讐者は笑った。
 ただ静かに笑った。
 重力にいだかれ。
 ラグオルの引力にいだかれ。
 そして……。

 「じゃ、手続きお願いするよ」
 彼女はライセンスをしめし、そう言った。
 かかりの女性は、言った。
 「では、あなたのお名前をどうぞ」
 「あい、テトテトはテトテト・ナイナっていうの」
 そう、それが、彼女の名前だった。
 

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