『凄絶』 第五話


「オラァ、次来い次ィッ!!」

 顔面血塗れの男の首根っこを掴みながら、らせつが凄絶に笑う。おびただしい返り血を浴び、彼の顔面も真っ赤に染まっている。

「テメェラはこの程度かよ!? 眠てーくなんだろがッ!!」

 どさっ、と男の身体を地面に叩きつけ、足蹴にする。そして頭にも蹴りを一発。

  「てんめぇ!!」

ぎん!!

 背後から振り下ろされた剣を手刀でへし折る。

「トロいんだよコラァァァッ!!」

がづっ!!

 お返しに、ソイツの腹に拳を叩き込む。と同時に拳が青白く輝き、そこを起点にして『気』力が爆裂・・・、吹き飛ぶザコA。

「オラァ、来やがれ!! オレはまだ活きてんぞ!!」

  がっ!

 必殺の飛び後ろ回し蹴りがザコBの側頭部にヒット。白目を剥きながら倒れていく。

「シィィィィィァァァッ!!!」

 着地と同時に姿勢を屈め、駆け出す。低位置から首相撲に持ち込み、勢いをつけて膝蹴りを顎に叩き込む。
 べき! と気象悪い音が鳴り、ザコBの顎は完璧に粉砕された。

「ああああああああ!! 面倒くせェッッッ!!!」

 目潰しをかましザコCの眼の中を掻き回しながら、らせつが吠える。

「テメェラまとめて地獄に逝きやがれッ!!!!!!」

かっ−−−−−!

「奥義! 石破・天驚拳ェェェンッッ!!!!!!!」

 溢れるエネルギーの奔流・・・炸裂する凄絶な破壊力。らせつの拳より放たれた膨大な『気』力の渦が、あたりにあるものすべてを呑み込んで爆砕させる。壁も、ヒトも、死体も。すべてが荒れ狂うエネルギー波によって消し飛ばされていった。

「吹っ飛べザコ野郎共!!! オヤジに荷担する野郎共は全員皆殺しだ!!!!!」


<『凄絶』完>



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