『凄絶』 第一話
「・・・ア?」
怜悧な眼差し、残忍な笑み。
一切の躊躇も無く放たれる、あからさまな殺意。
らせつ。闇夜に浮かぶ黒づくめ。
どか!
分厚い鉄板入りのブーツで、地面にすっ転んでいる馬鹿のアタマを踏みつける。ひどく情けない悲鳴が上がった。
「テメェがオレにブッ殺される理由だと? んなモンもわからねぇのか」
ぎしり、と馬鹿のアタマから軋み音が聞こえる。畜生のように鳴き叫く馬鹿を見て、さらに苛立ちがこみ上げてくる。
がづっ!
「うああぁっっぁぁぁあああぅぅぁつっ!!!」
思い切りブーツを叩きつけると、馬鹿は一瞬白目を剥いたようになった。びくんと一度痙攣し、腹を裂かれたミミズのようにらせつの足下をのたうつ。ばたばたと、せわしなく。
「テメェは誰だ何だ何者だ朝飯は何食ったゆうべは楽しかったか子供は元気にしてっかさっきまでナニしてた言って見ろォッ!!!」
何度も何度も何度も何度も何度もブーツで馬鹿のアタマを蹴り飛ばす。一度目は泣き叫び、二度目はむせかえり、三度目にはばっくりと裂傷が開いた。4度目にそれが大きく広がり、5度目になると馬鹿は血塗れだった。そこから先は・・・
☆5分経過☆
・・・もはやボロ屑人形と化した馬鹿のそばに、しゃがみこむ。ずたずたになっている顔はある程度の原型と意識を留めているようで、呼びかけに対して視線を動かすことくらいは出来たようだった。
「・・・さぁて、ココからが本題」
あいかわらず陰険、残忍な皮肉ぽい笑顔で。
「ヤツは今どこにいる? オレの・・・クソったれオヤジは」
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