『お仲間募集中』 第一話


「さぁて」

 ぼきぼき、と指を鳴らすらせつ。
 此処はベース・キャンプ。冒険の前の下準備中、といったところか。

「あとはメンツが揃うのを待つだけだな」

 すると、ベース・キャンプに誰かが転移してくる気配がする。

「こんにちは。僕もご一緒させて貰えますか?」

 転移の光の中から現れたのは、若い武闘家だった。

「勿論。貴方も武闘家ですか。いやぁ、楽しくなりそうですなぁ」

 その後しばし、らせつと若者は談笑をして時間を潰した。
 此処には魔法の通じない魔物が出るので、魔法使いはきっと来ないでしょうね、と若者が冗談めかして言うと、ぶっ、とらせつが吹き出して笑った。

「いや、ひょっとしたら忍者も来ないかもしれませんよ?」

 返してらせつがそう言うと、今度は若者が、ぷっ、と吹き出す。

「それは困りましたねぇ、ふふふ」

 と・・・再び転移の光が輝いた。

「コンチご機嫌いかがですか?」

 現れたのは億泰だった。



第二話へ
メニューへ