『序章』 第三話
その音と声により思考は一時中断されたものの、
それ以上は意に解さずふたたび思考を開始した。
(に、しても・・)
(死ぬ間際に白髭白装束のジジイって・・)
(オレも意外とステレオタイプだね。まったく・・・・。)
「ン?何笑ってんのーー?」
「イヤ別に・・・・。
・・・・・他の・・奴らは・・?」
『クジッ』
銃をもったままの右手で船体にへばりつくサカナを軽く引きはがし問いかえす。
「『コイツ』のコト?」
「・・・・他の・・・船員だよ」
「アハハ!たいして変わんねーーよ♪
違いといやー、」
冷淡な笑いと共に、手にしたソレを噛みちぎる。
「『コイツ』の方がDHAが多い・・・カナ♪ギャハハ!!
・・・・!!・・・マズゥ・・・・」
「ぅっ・・・でェ、今テメーーーの荷物見して貰ってんだけどサーーーー
・・・・君・・、貧乏なの?」
「・・・・・・・・海賊に哀れまれる筋合いはァ・・無ェよ」
既に全身に力は無く、ついた悪態にも勢いは、無い。
『賊』としての作業をつづける男の目に付いた物・・・・・
例の『人道的理由による』国外追放斡旋書。
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