『不死身の花と蛇(18禁)』
「君は人間じゃないよね?」
「ああああああ」
「この道まっつぐ行ったら
行き止まりですかね?」
「それがどうした」
「っつーかさーーーお前人間じゃないだろ?」
「人間じゃなかったら俺はなんなんだよ」
ヤマカガシは上陸して早々
インテリ男に因縁をつけられていた。
「てめぇの原付をオレ様によこしな」
「もってねぇよ」
「・・・・・この先行ったら行き止まりか?ああん?」
「来たばかりだから、知らねぇな」
それが合図だった。
インテリ男が飛びかかってきた。
ヤマカガシは無表情のまま殴られ続けた。
絶頂を待った。
インテリ男は「かえして、かえして」と叫びながら
泣きだした。
ヤマカガシは眼鏡を奪っていた。
泣きじゃくるインテリ男を草むらに連れ込んだ。
インテリ男は首を振りながら舌を噛みきった。
ヤマカガシは予想外のことに
動揺した。
「お、おいっ」
インテリ男の胸ポケットには
タンポポと刺繍がしてあった。
「お、おいっ、タンポポ
いきなり舌噛むなんて、お、おいっ」
突然だった。
舌を噛んだまま動かなくなっていたタンポポが
ヤマカガシの喉仏を狙ってつかみかかってきた。
「うわっ、なにすんだ、うわっ」
ヤマカガシは避けた。
タンポポはそのまま走り去った。
2日前
草むらには僅かに血が飛び散っていた。
上空には真っ黒な鳥が舞っていた。
「タンポポはお前らの餌にはならねぇよ」
ヤマカガシは顔を真っ赤にしながら叫んだ。
ギャーギャギッギギーギャヤァッツアアー
鳥の鳴き声が一層強く激しくなった。
耳触りの悪すぎる鳴き声から耳をふさぐようにして
穴を掘った。半身をうずめた。
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